ネイルをする前に、まず必要なのが甘皮処理。つい面倒くさいと思われがちな工程ですが、甘皮処理をするか否かで仕上がりに大きく差が出ます。
目次
爪の甘皮とは手指のどの部分か?
甘皮とは、爪と皮膚の境目にある皮部分のこと。甘皮は爪と皮膚の隙間から細菌が入らないようにする役割があります。また、別名では「キューティクル」と呼ばれることも。そして甘皮処理でケアが必要になるのは、甘皮が角質化して爪に薄くついた膜の部分。この膜を「ルースキューティクル」と言います。甘皮処理は、甘皮全体を処理しなければならないと勘違いされがちですが、実際に処理するのはこの薄い膜(ルースキューティクル)のみ。甘皮まで深追いするとケガの原因にもなるため注意しましょう。
爪の甘皮を取る方法
次に、甘皮処理の方法を手と足それぞれ分けてご紹介します。なお、甘皮を処理する時は、以下の6点を用意しましょう。
【使用アイテム】
・ジェルクリーナー(消毒用エタノールで代用可)
・フィンガーボウル(洗面器で代用可)
・キューティクルリムーバー(ハンドクリームで代用可)
・キューティクルプッシャー(コットン+ウッドスティック、綿棒で代用可)
・キューティクルカッター/ニッパー(コットン+ウッドスティック、綿棒で代用可)
・コットン(ガーゼ、キッチンペーパーで代用可)
セルフネイル前の甘皮処理
まずはハンドネイルにおける甘皮処理の方法をご紹介します。
①甘皮を柔らかくする
まずは甘皮処理をしやすくするための前準備をしましょう。できれば、キューティクルリムーバーを使用するのが効果的。しかし、持っていない方はハンドクリームで代用してもOKです。
甘皮に塗った後、40度前後のぬるま湯を入れたフィンガーボウルに手を入れます。そのまま5〜10分程度おきましょう。セルフネイルの場合、フィンガーボウルは洗面器でも十分ですよ。
なお、キューティクルリムーバーを使用する場合はメーカーによって使い方が異なります。すぐに洗い流すタイプや、お湯につける時間もまちまち。使用する際は説明書を読んでから、正しく活用してくださいね。
②ルースキューティクルを押し上げる
ぬるま湯で温まった指は、清潔なタオルで軽く水気をとりましょう。その後、甘皮が柔らかいうちにキューティクルプッシャーを使用して、ルースキューティクルを押し上げます。爪から皮膚の方向に向かって、プッシャーを動かしましょう。なお、こちらは綿棒やコットンを巻いたウッドスティックでも代用可能です。
また、甘皮がうまく取れなかった時に力を入れて削り取ろうとするのはNGです。除去しなくても良い皮膚部分を傷つけ、血が出てしまうこともあります。もしも上手く取れないと感じた時は、①の工程に戻ってもう一度甘皮をふやかしましょう。あくまでも優しく丁寧に行うことが大切です。
③ルースキューティクルをカットする
続いて、浮き上がったルースキューティクルをキューティクルカッターやニッパーでカットしていきます。柔らかくなったルースキューティクルは簡単に取れることが多いため、綿棒やコットンを巻いたウッドスティックでも対応できます。甘皮周辺をくるくると擦ることで、余分なルースキューティクルを除去しましょう。
④仕上げの拭き取り
最後に、ジェルクリーナーをコットンに染み込ませて爪全体を拭き取りましょう。せっかくルースキューティクルを落としても、爪表面に付いてしまっては仕上がりが悪くなってしまいます。ちなみに、この時使用するコットンは毛羽立ちの少ないタイプがおすすめです。コットンの些細な毛羽も、ネイルの仕上がりに影響します。手元に無い方はキッチンペーパーなどで代用するといいでしょう。
なお、これから本格的にセルフネイルをしたいという方は、ジェルネイル用のコットンを検討してみましょう。ネットではお手頃価格で販売されているため、初心者にもおすすめですよ。
⑤カラーしない場合はネイルオイル
甘皮処理後、カラーを施さない場合はネイルオイルを塗りましょう。リムーバーやクリーナーを使用した指先は乾燥しています。爪の乾燥は、ささくれの原因になることも。爪のトラブルを防ぐためにも、必ずオイルをつけましょう。まだ持っていないという方は、ハンドクリームで代用してもOKです。
ただし、甘皮処理後すぐにカラーリングをする場合、この工程は後回し。オイルなどの油分が爪についていると、ネイルが剥がれやすくなる原因になってしまいます。ジェルネイルやポリッシュネイルをする時は、カラーリングした最後にオイルを塗りましょう。オイルは皮膚と爪の境目部分に塗るように意識してくださいね。
ペディキュア前の甘皮処理
続いて、フットネイルにおける甘皮処理の方法をご紹介します。基本的にハンドネイルと処理の違いはありませんが、所々足元ならではのポイントがあるため、参考にしてみてください。
①甘皮を柔らかくする
まずは、ハンドネイル同様にキューティクルリムーバーやハンドクリームを甘皮周辺に塗りましょう。
通常、ハンドネイルではフィンガーボウルにお湯を入れて指先を温めますが、足の場合は洗面器の利用がおすすめです。男性は足が大きいため、大きめサイズの洗面器があると便利ですよ。甘皮がふやけるまで、5〜10分程度待ちましょう。
②ルースキューティクルを押し上げる
甘皮が柔らかくなったら、足をさっと拭いてキューティクルプッシャーでルースキューティクルを押し上げます。こちらも綿棒やコットンを巻いたウッドスティックで代用OK。
足は手よりも距離が遠く、つい力が入ってしまいがち。ですが、あまり強く押し上げると皮膚を傷つけてしまうため、優しく行ってくださいね。
③ルースキューティクルをカットする
ルースキューティクルが浮き上がったら、キューティクルカッターやニッパーでルースキューティクルを除去します。足元の処理は手よりもケガのリスクが高いため、手先の器用さに自信がない方は綿棒などの柔らかい素材で代用すると良いでしょう。コットンを巻きつけたウッドスティックは、綿棒よりもやや強度が上がりますが、その分細かい部分まで手が届きやすいですよ。
④仕上げの拭き取り
最後の拭き取り作業はハンドネイルと同様です。ジェルクリーナーや代用品の消毒用エタノールで爪表面の汚れをきれいに落としましょう。
ネイルカラーの仕上がりに関わる大切な工程です。
⑤オイルやクリームで足元ケア
先述の通り、カラーをする場合はカラー後にネイルオイルを塗りましょう。また、足元は甘皮周辺だけでなく、かかとも乾燥しやすいポイント。意外と普段のケアで見落としがちな部分です。
足元のケアをした時は同時にかかとのケアも行うと良いでしょう。かかと用の乾燥クリームを使うと効果的ですが、ボディクリームで代用してもOKです。爪だけでなく、足全体を美しくすることで更にネイルも映えますよ。
爪の甘皮処理の際の炎症とその対処法
甘皮処理は誤ったやり方をすると炎症が起きることも。そんな状況を避けるために、事前に原因や対策を学んでおきましょう。
甘皮処理で炎症がおきる原因
・甘皮処理で皮膚までカットしてしまった
・使っていた道具が不衛生だった
先述した通り、プッシャーで強く押し上げると皮膚が傷つき、炎症の原因になります。また、道具を不衛生に扱うのもNGです。使用した道具は、最後に必ず消毒用エタノールなので拭き取りましょう。
炎症が悪化するとどうなる?
・爪周囲炎になり、皮膚が赤く腫れ上がる
・爪郭炎になり、爪に溝ができてしまう
・爪の生え方が変化してしまう
小さな傷でも、菌が入り込むことで重大なトラブルに発展することもあります。「ちょっとくらい傷がついても大丈夫」と考えず、甘皮処理は優しく丁寧に、そして道具を清潔に保つ意識をすることが大切です。
炎症が起きた時の対処法
炎症が起きてしまった時は、放置せずに皮膚科で診てもらうようにしましょう。はじめは大したことがない、と思っていた傷も、後になってネイルができなくなるほど悪化してしまう場合があります。自己判断せず、なるべく早めに病院へ行きましょう。
まとめ~甘皮処理~
甘皮処理はネイルカラーをする方もしない方もおすすめのお手入れです。仕事の関係で普段はネイルカラーができないという方は、甘皮処理だけでもしておくといいでしょう。ルースキューティクルがなくなるだけで、洗練された清潔感のある手元になりますよ。
今回の記事を参考に、是非正しい方法で実践してみてください。
・セルフネイル歴 3年半
・出身地 埼玉県
・趣味 犬と散歩すること
・一言 セルフネイル好きのフリーライター。デザインはOL系から個性派までストライクゾーン広めです。アマチュア目線のわかりやすい記事を心がけています。